長津 結一郎

2021.5.7

以下は未来構想デザインコース学生によるインタビューです。
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研究内容について教えてください

みなさん、1年時に私の授業を受けたと思います*が、私の研究はどういう研究だと感じましたか?

―そうですね、音楽や演劇は、パフォーマーがいて、それを観る人がいるっていうのが一般的ですが、そうではなく、障害のある人たちも含めて、皆で一緒に作品を作り上げていく、その過程で平等や社会包摂などの価値観を見出そうとしている感じでしょうか?

授業で伝えてきたことはほぼそういうことです。でも一方で、ちゃんと作品になっているものも好きなんですよね。その作品の中に、ちょっとした社会の問題とかが、上手いこと現れてそれが見えてくる、みたいなことが起こっているとすごく面白いなと思います。だから、必ずしも社会包摂のために芸術がある、と言うわけではなく、社会包摂的なことに結果的になっている、ということがいろんな場面で起こるといいなと思っています。

長津先生の考える未来構想デザインとは

難しい質問ですね。「未来構想デザインはこれである」ってなかなか言いづらいけど「こうではない」っていうのはありますね。例えば未来構想デザインって SF ではないんですよ。未来って今の生きている私たちと地続きなんですよね。で、そのときにある技術で人が何をするのか、人によって技術がどう変わっていくか、その相互作用があると思いますし、目の前の課題解決に向けて、価値創造について手を動かして考えることが重要だと思います。

未来構想デザインコースの人たちへのメッセージ

未来構想デザインコースに来る学生って、リーダーシップを発揮してくれそうな人が多いですよね。ですが、リーダーシップは発揮して欲しい一方で、人になにかをやらせてばかりの人は育てたくはない。やはり、何かの問題意識をもってコトを動かす、という原動力を持つと同時に、いろんなスキルも持ってて欲しいんですよ。私の場合は、社会包摂的なことに興味があって、芸術でこれに切り込んだら面白いんじゃないか、こういうことをやっているのは日本にあまりいないんじゃないかって思って研究をやっています。それと同じように、みなさん自身、興味があることに取り組むとき、そのアプローチの選択肢が広い方がいいと思うんですよね。だから、「こういうことをやりたい」という思いの強い人に来て欲しいし、そういうのがなくてもいろんなスキルを学び取ることに興味がある人が入ってくれるといいな、と思います。

*注 筆者は「社会と多様性」という授業を1年時に受けている。(本文に戻る

インタビュー・編集:阿南修平、中山弘一、山領早穂(未来構想デザインコース学生)