卒業生から、高校生へ。07 株式会社リコー 藤山遼太郎さん

2021.3.14

未来構想デザインコース担当教員の研究室卒業の皆さんからのメッセージです。
藤山遼太郎さん

2006年 泰星高等学校(現:上智福岡高等学校)卒業

2011年 九州大学芸術工学部 工業設計学科 尾方研究室 卒業

2011年 ドイツ・ダルムシュタット科学技術大学 交換留学

2014年 九州大学大学院芸術工学府 芸術工学専攻 修士課程 修了

2014年 株式会社リコー 入社

現在のお仕事を教えてください

株式会社リコーでデザインの仕事をしています。入社以来、複合機・畜産向けIoTサービス・業務支援ソリューションなどのUIUXをデザインしてきました。製品の操作性や印象性を全世界で統一するためのデザインガイドを作成したり、時には畜産農家を訪れてフィールド調査をしたり、はたまた、未来の「働く」はどんな姿か思い描き、プロトタイプをデザインしたりと、仕事内容は多岐に渡り、常にアイデアを出し続けています。これからは、会社の戦略や、デザインの立ち位置を考える仕事も増えてきます。

 また、副業が認められており、社内外でデザイナーではない方を対象に、考えを相手に伝えられるようになる「スケッチ講座」を開講し、個人活動も活発です。

学生時代について教えてください。

人間が「生きる」ために必要なことや道具を研究していました。卒業研究では発展途上国の山間部で10Lの水を運ぶタンクをデザインしました。今でも思い出に残る作品です。修士研究では「清潔の文化」を研究し、世界の様々な生活の知恵を収集し、考察することが楽しかったです。

 修士で行ったドイツ留学は私の経験の中でも重要な時間でした。各国の文化やデザインを目にしただけでなく、困難へ立ち向かう精神力や行動力が育まれました。 

 そして、なんといっても芸術工学というフィールドの中で先生や仲間と共に、「課題有るとこでデザインを発揮する」力、「デザインの世界に垣根無し」というマインドなど今でも大切なことを学べたことが学生時代の財産ですね。

受験生に向けてのメッセージ

「デザイン」はデザイナーだけのものではなく、誰もがその価値と役割を知り、社会で活動するべきものです。「デザイン」が役に立たない世界や分野は1つもありません。 受験生の皆さん、これまでの生活の中で、何かを作りたい、変えたい、世の中の違和感を感じたことはありませんか?芸術工学部にはその「思い」を研究する環境と学生の情熱を受け止める歴史と知識があります。 今はコロナや政情不安で危機感や心配が大きい時代です。ただ、常に言えることがあります。どんな時代でも「健康である・楽しみ続ける・異なる世界を見る」ことが自分を支えてくれます。 私自身もデザインという軸を持ちながら、怪獣や伝統文化、映画俳優活動、旅行など多くの「楽しめる」分野を広げ続けています。 そのマインドは芸術工学と通じています。ぜひ「あなただけの未来」をこの大学で楽しみながらデザインしてみてください。