平松 千尋

2020.9.23

Chihiro Hiramatsu

視覚生理心理学、
分子遺伝学

— 生命現象の一部であっても理解することは難題の連続です。しかし、何か行動してみると、糸口がつかめることが多くあります。困難があってもできることから始めてみてください。きっと可能性が広がるはずです。

 ヒトやその他の動物における、感覚や認知の多様性に関わる基礎研究を行っています。特に、色覚の多様性に着目し、遺伝子、知覚、行動、神経レベルから包括的な研究を進めています。例えば、色の見えに関わる神経基盤の共通性と多様性を調べることで、感覚的意識体験を作る脳の働きに迫りたいと考えています。また、遺伝的に少数派の色覚を持つ人々が、発達過程で多数派の色覚を持つ人々の規範から受ける影響を調べることで、遺伝子と経験との相互作用の一旦を明らかにしたいと考えています。
 音声研究者や霊長類研究者らと協力して、霊長類の音声進化研究にも携わっています。ヒトやその他の動物における音声の共通性や特異性を探ることで、ヒトに固有と考えられる言語が、どのように進化したのかに迫りたいと考えています。
 上記のような基礎研究の成果が、異なる遺伝的、文化的背景を持つ人々や動物がうまく共生できるデザインの提案に繋がればと考えています。


色覚、多様性、進化、生命・情報科学