関 元秀

2021.5.7

以下は未来構想デザインコース学生によるインタビューです。
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研究内容について教えてください

数理モデルを作って生物や人間社会を研究しています。数理モデルとは、数字と式でできた模型です。私が生物や社会の数理モデルを作る理由を3つ述べます。第一に模型を作る行為自体が好きだから、第二に対象(生物、社会)が好きだから、第三にできあがった模型を使って遊ぶことが好きだからです。三点目に挙げた遊びを学術用語ではシミュレーションと呼びます。最近の対象は、ランソウ(アオコの原因)とミジンコとワカサギです。この3生物種の食物連鎖関係を数理モデル化し、個体数変動のシミュレーションを行い、アオコを減らす有効な方法を探しています。アオコ発生は夏だけなので現実世界での実験機会は限られており、こういうときシミュレーションが力を発揮します。

あなたにとっての未来構想デザインコースとは何ですか

全くの無から新しいものを生み出すことも可能かもしれませんが、私は今ある2つ以上のもの(特に、今まで誰も試したことのない組み合わせ)の接点・交差点に、何か新しい将来があると思っています。未来構想デザインコースは、さまざまな分野の研究者と、いろいろなことに興味のある学生が集う接点・交差点ではないでしょうか。

あなたの研究は未来構想デザインにどうかかわっていますか

私はまさに数学と、生物学や社会学の接点で研究を行っていると思います。たとえば数学と物理のような組み合わせと違って、数学と生物・社会という組み合わせは高校生までは一見関係が最も薄そうな組み合わせなので、みなさんは意外に思うかもしれません。

未来構想デザインコースの人たちへのメッセージ

ひとつのモノやコトをよく知ろう、良くしようと思ったら、それに関わるたくさんのモノやコトについて熟知する必要があります。重要になってくるのは、自分が興味をもっているモノ・コトと、興味をもっているとは限らないモノ・コトとの関わりに気づく力です。また先程お話したように、これまで誰も試さなかったモノ・コトの組み合わせによって新しいモノ・コトをつくっていく場合も、やはり多くのモノ・コトについて知ることが必要でしょう。多種多様な分野にアンテナを張ってほしいと思います。さらに、これまでにない組み合わせを試してみる自由さを忘れないでください。楽しみながら自由にやってください。

インタビュー・編集:佐藤広武、栗田大夢、牛尾桜(未来構想デザインコース学生)