FAQ ①未来構想デザインコースの特色

2021.6.23

Q1. 文理融合に興味があるのですが、九州大学共創学部との違いは何ですか?

A1. 共創学部とは大きく異なります。芸術工学部は、数学・物理・生物を中心とした自然科学と人文・社会科学に基づき成立っている、国立では唯一の理系デザイン系学部です。その中でもさらに新しい融合・統合的な領域を扱うのが「未来構想デザインコース」です。

〈未来構想デザインコース〉は「アート・デザイン」「社会構想」「生命・情報科学」という3つの分野から構成されており、社会の「しくみ」をデザインできるようになる教育を行っています。環境問題、超高齢化社会、循環型社会、地域格差などの社会的課題を新しい「しくみ」をデザインすることで解決へと導いていきます。

解決困難な課題に文理融合のアプローチで挑む点では〈共創学部〉と似ていますが、〈未来構想デザインコース〉では、「アート」や「デザイン」の実践的スキルを磨きながら、解決方法を具体的に表現する能力を身につけます。

Q2. メディアや音響に興味があるのですが、未来構想デザインコースでは、これらについても学ぶことができますか?

A2. 九州大学芸術工学部の他のコースが、手で触ったり見たり聞いたりする「モノ」を主なデザイン対象にしているのに対し、〈未来構想デザインコース〉は「しくみ」を主なデザイン対象にしています。「しくみ」のデザインとは社会や生活・環境・地球をよりよく豊かにしていくための方法を生み出すことを指します。「しくみ」を作るためには、視覚・聴覚情報などその他のデザイン要素の学習も必要なので、これらについても学びます。

しかし、〈未来構想デザインコース〉は、〈環境設計コース〉〈インダストリアルデザインコース〉〈メディアデザインコース〉や〈音響設計コース〉が重なり合う領域、例えば、福祉デザインや統合的ユニバーサルデザインのような空間・もの・情報が重なり合う領域のデザインに挑戦します。

また、〈未来構想デザインコース〉は、〈環境設計コース〉〈インダストリアルデザインコース〉〈メディアデザインコース〉〈音響設計コース〉が扱ってこなかった領域、例えば、ジェンダーや認知症など、これまでどのデザイン領域に含まれなかったデザインにも挑戦します。

これらの新しい領域にアプローチするためには、「しくみ」のデザインという新しい方法論が不可欠です。〈未来構想デザインコース〉では、そのために必要な知識やスキルを実践的に学んでいきます。

Q3. もの・こと・サービスのデザインは、インダストリアルコースでも学べると聞いたのですが、どこが違うのですか?

A3. もの・こと・サービスのデザインを学ぶという点では〈インダストリアルコース〉と似ていますが、〈未来構想デザインコース〉では、「アート・デザイン」「社会構想」「生命・情報科学」の知識・考え方を身につけることで、未来社会のビジョンを描く能力を高めることを重視しています。また、社会の「しくみ」のデザインについても深く学びます。

〈未来構想デザインコース〉と〈インダストリアルデザインコース〉の対象領域や考え方は大きく異なります。〈未来構想デザインコース〉は、もの・こと・サービスというより、それらを包含した「しくみ」をデザインします。また、〈未来構想デザインコース〉は、インダストリアル(産業・工業的)な製品やサービスではなく、社会や環境や人間生活そのものをデザインの対象とします。経済的利益よりも、ウェルビーイング(幸福感)を重視したデザインのアプローチです。