生物のリズムに潜む不思議を考える

2022.12.19

生命現象のなかには、繰り返しおこるリズム現象があります。ちょっと考えただけでも呼吸とか心臓のの拍動とか髪の毛の生え変わりとか思いつきますし、生き死による世代交代もリズムといえます。

一方生きていないものの中にもリズムを生み出すものがあります。例えば、振り子がその典型です。

両者はリズムの周期やできている物質の材料は異なるかもしれません。でも少し引いて考えて、数理の上で両者を見つめてみれば、結構似ているところがあります。構築されてきた振り子の数理から学べる知識が生物のリズムを探る上で大変役にたつことがあります。

私達の研究室では特に約24時間周期で繰り返される概日リズムに着目しています。ヒトの場合は、寝起きのリズムが有名ですが、血圧や体温も24時間周期で変動します。20世紀の末頃から分子遺伝学的解析によってこれらとどういう生体分子が関わっているのか明らかになっってきました。また同時にリズムの計測技術も飛躍的に進歩しました。私達はそうした先人が構築してき技術を片手に、もう一方の手には数理の知識を携えて生物のリズムにひそむ普遍的な謎に迫ろうとしています。

教員