結城 円

2024.9.25

©Shino Chikura

研究内容について教えてください

これまで、芸術学・美術史分野で、写真を中心としたヴィジュアル表現にまつわる様々な現象を研究対象としてきました。その中でも、文化圏により情報伝達方法、受容方法が異なることに着目し、その文化的な差異を比較することを通して視覚表現を考察しています。これら「イメージ学」「比較文化論」と呼ばれる2の視点を軸に、「見る」ということについて考えています。自分がどのように見るか?自分以外がどのように見るのか?という受容のコンテクスト。制作者は何を見て欲しいと思って作っているのか?という制作のコンテクスト。どのように見せるのか?という提示のコンテクスト。これら3つの方向から、どのように視覚文化という仕組みがデザインされているのか分析・研究しています。

先生の考える未来構想デザインとはなんですか?

「未来構想」というと、これから先に対して新しいビジョンを示すことをまず想像するのではないかと思います。しかし未来に向かうためには、過去について知り、学ぶことが重要なのではないでしょうか。過去がどのように現在とつながっているのか。過去から何を学び、未来に活かしていくのか。そのような構造をも含め学ぶことが未来構想デザインに繋がるのではないかと思います。

未来構想の学生にメッセージをお願いします

大学4年間はとても自由に自分の興味を追求できる時です。その中でぜひ、自分の視点を確立し、批判的な思考方法を構築してみてください。いろいろなことに好奇心を持って、批判的に距離を持って考察してみる・実践してみることで、自分の立ち位置がはっきりしてくると思います。どこが自分の意見なのか、他の人の見方とどう違うのかということが明確に示せることは、研究活動の第一歩であるとともに、今後何をする時でも一番の強みとなると思います。